アフターコロナ時代に恥部となるかもしれない、胸でも尻でもないところ『ニューノーマル』
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アフターコロナ時代に恥部となるかもしれない、胸でも尻でもないところ『ニューノーマル』

【レビュアー/新里裕人

突然ですが、皆さんは職場の同僚の顔、覚えていますか?

新型コロナウイルス感染症がニュースになったのは2020年の初旬。それから1年が経過した現在も、終息の見通しが見えていません。外出するときにマスクをつけるのももはや習慣になってしまいました。

職場で出会うどの顔も、マスク、マスク、マスク。

気が付けば数か月間、同僚の素顔を見ていない人も多いんじゃないでしょうか?

まして、去年の4月から入社した新入社員にいたっては、先輩たちの素顔を見た期間よりマスク姿を見ている時間のほうが圧倒的に長い状態。

化粧品でも口紅の売り上げが落ちた、なんて話を聞きますが、「顔」というアイコンの価値は、ここ半年で確実に暴落している気がします。

このまま、この状態が5年後も10年後も続くとしたら……。

そこまで想像した時、私はぞっとしてしまいました。

今起きているのは一時的な災厄なのではなく、未来社会の「風景」を変えてしまうようなターニングポイントかもしれないからです。

今回紹介する本作は、そんな危惧が現実化した、少し未来の物語です。

この物語では、さまざまな新しい標準(ニューノーマル)が描かれていました。

ニューノーマルなところ①クラスメートの素顔を知らない

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『ニューノーマル』(相原瑛人/ファンギルド)より引用

仲の良い友人同士でも、マスク越しの会話が当たり前。

基本的に顔情報の50%が伏せられた状態で、交流のない生徒は「モブ」となってしまう?

ニューノーマルなところ②エロの概念が変わっている

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『ニューノーマル』(相原瑛人/ファンギルド)より引用

薄絹で隠された女性の「くち」に興奮する男子生徒たち。

うん、わかるっ! 隠されているものって無性に見たくなりますよね。

こういった価値観の変異はリアルに起こる気がします。

マスク着用が義務化された社会において、お互いの「素顔」を知ることができない社会。

そんななか、主人公の男子高校生は偶然、気になっていたクラスメイトの「くち」を目撃してしまいます。

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『ニューノーマル』(相原瑛人/ファンギルド)より引用

生まれて初めて、家族以外の女の子の「くち」を見た衝撃!

この漫画の素晴らしさが(そしてテーマが)凝縮したシーンだと思います。

ドギマギする主人公に、ヒロインの少女が言います。

「泰くん(主人公の名)のくち、見せて」

マスクを取って、素顔を見せあうだけなのに、この生々しい描写!!
こうして二人は共通の「秘密」を持つことになります。

ニューノーマルなところ③「ピクニック」が消滅している

もはや、親の昔話の中にしか出てこない「ピクニック」。

2人は、「ピクニック」をもう一度行うため、廃墟となった公園へと忍び込みます……。

マスクの件も、ピクニックも、この社会においてタブーとされる行為です。

しかし禁じられているからこそ、その秘密を分かち合ったものだけが到達できるところもあります。

次々とタブーに引きずり込まれる主人公の純朴さを見ていると、ヒロインという名の悪魔と契約してしまった感もありますが(笑)…漫画的には行くところまで行って欲しい!

実はこの漫画、分冊3話までしか刊行していなくて、まだまだ何も「はじまって」いません。

しかし、コロナ感染症の時代であっても、人はちゃんと恋をして、ドキドキときめくことが信じられる漫画です。

ちょっと紹介するには早いかなとも思ったのですが、ここからの二人の行く末を一緒に見守っていただければと思います。


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