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90年代の懐かしいゲームと家族との思い出がよみがえるノスタルジー漫画『おばあちゃんとゲーム』

こんにちは! ゲーム制作会社「サイバーコネクトツー」の西川裕貴です。

2020年11月、いよいよ家庭用ゲーム機「PlayStation 5」と「Xbox Series X/S」が発売されますね。

最新テクノロジーによって可能となるゲーム体験を、皆で思いっきり楽しんでいきましょう。

ところで、初代の「PlayStation」が発売されたのは1994年12月ですが、当時その頃「自分が何をしていたか」皆さん覚えていますか?

私は中学3年生だったため「俺、この戦いが終わったら『PlayStation』を買うんだ……」と自分に言い聞かせながら、高校受験の勉強に全集中していた記憶があります。

それから26年近くの月日が経ちましたが、家庭用ゲーム機がまさかここまでの進化を遂げるなんて、当時の私には全く想像できませんでした。

そしてこれから一体どこまで進化していくのか……? 今はゲーム開発者の立場からとても楽しみにしています。

さて、今回ご紹介する作品ですが、「PlayStation」や「セガサターン」などで遊べる3Dゲームが賑わっていた1990年代を舞台としたノスタルジー漫画『おばあちゃんとゲーム』です。

孫×おばあちゃん×ゲーム=ノスタルジー体験

本作の主人公・しょーちゃん(しょうこ)は、外で遊んだりお姉ちゃんとのお出かけよりも、家の中でゲームで遊ぶのが好きな小学生の女の子。

ある日を境に、田舎からお隣に引っ越してきた「おばあちゃん」がしょーちゃんに会いにくるようになります。しょーちゃんがゲームをしていると、ゲーム知識が無いおばあちゃんならではのツッコミがバンバン飛んでくるようになります。

おばあちゃん「気をつけて! 主人公の隣に包丁を持った人がいるわよ!」
しょーちゃん「それは味方だよ」
おばあちゃん「今日は何を殺すの?」
しょーちゃん「ゲーム=殺すじゃないよ」
おばあちゃん「しょーちゃんのやるゲームはお昼でも宿屋でよく寝るわね」
しょーちゃん「戦闘のケガを治しているんだよ」
おばあちゃん「それは病院の方がいいんじゃないの?」

……などといった感じで、「ゲームに集中したいけど、おばあちゃんの言動が気になる孫」と「ゲームの知識は無いけど、一生懸命な孫の姿を見ているのが楽しいおばあちゃん」のコミュニケーションが微笑ましく、読んでいて心が温まる作品です。

また本作は時代設定が1990年代で、しょーちゃんが遊んでいるゲームも「PlayStation」や「セガサターン」などで実際に発売された良作タイトルばかりのため、そのゲームを遊んでいた人なら「あるある」&「わかるー」と思えるネタが満載です。

特に30代中盤あたりの年齢で、子どもの頃にゲームにハマった経験がある人が読むと、超ど真ん中で「ノスタルジー感」を得られること間違いなしです。

孫の成長とおばあちゃんの意識の変化

最初の頃はイチイチ絡んでくるおばあちゃんに向かって、つい

「ぜんぜんゲームできないよー おばあちゃんあっちいってて!」

と言ったりもしたしょーちゃんでしたが、おばあちゃんとコミュニケーションをとっていくにつれて、ゲーム以外のことにも興味を持ち始めたり、家族の大切さに気付き始めたりするなど、少しずつ人間的に成長していきます。

またそれと同時に最初の頃は

「ゲームばっかりやってるとバカになっちゃうよ」

みたいな偏見を持っていたおばあちゃんも、ゲームに一生懸命になっているしょーちゃんを見ているうちに、隣で応援をしたり、自分も一緒に遊ぶようになったりして、「ゲーム=悪ではない」といった考え方に変わっていきます。

本作は肩の力を抜いて楽しんでもらえるコメディ作品ですが、こういった「孫の成長」と「おばあちゃんの変化」にも注目しながら読んでいただけると、より一層楽しんでいただけると思います。

……ですが、時の流れは残酷なもので、月日が経つにつれておばあちゃんの体調に少しずつ異変が現れるようになっていきます。

そして「PlayStation 2」が発売された時のエピソードにおいて、おばあちゃんの口から出たセリフ

「この先も3•4て出るのかしら
 おばあちゃんが生きてる間にいくつまで出るのかしら」

には、いつか必ず訪れる「大切な人との永遠の別れ」を連想させるものとして、胸をギュッと締め付けられる思いをしました。

そして、ある日、おばあちゃんが……。

……。

…………。

ああ……ごめんなさい、これ以上は言えません!

そんな、瀬野反人先生の『おばあちゃんとゲーム』は「全3巻(完結)」です。

このレビューを読んでいただいて、「ゲーム好きの孫」と「孫好きのおばあちゃん」の物語のエンディングに興味を持っていただけた方は、ぜひ本作を読んでいただけると嬉しいです。

WRITTEN by 西川 裕貴
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