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女子大生ゲームデバッガーが裏世界攻略に挑む!SFミステリー漫画『百万畳ラビリンス』

こんにちは! ゲーム制作会社「サイバーコネクトツー」の西川裕貴です。

弊社には「品質保証室(QA)」という部署がありまして、開発中のゲームの「デバッグ」を円滑に行うために、開発チームやパブリッシャーのQA、そしてデバッグ会社と連携しながら、日々バグチェックを行っています。

デバッグについて簡単に説明すると「ゲームが仕様どおり動作しているか?」「予期せぬ不具合が起きて無いか?」について、開発中のゲームを繰り返しプレイして不具合を発見し、修正する作業のことです。

ゲーム開発は「企画・仕様」「グラフィック」「プログラム」「サウンド」といった制作パートが目立つイメージがありますが、ゲームを完成させるためには「デバッグ」作業が必要不可欠です。

その際、バグを見つけて報告する「デバッガー」の能力はとても重要で、デバッガーの活躍しだいでゲームの品質やユーザーの評価が変わると言っても過言ではありません。

つまり「デバッガーの皆さんを、超・頼りにしてます!」ということです。

さて、そんな流れで今回ご紹介するのは、ゲームデバッガーが主人公のSFミステリー漫画『百万畳ラビリンス』です。

まるでゲームがバグっているような不可思議な世界

とあるゲーム会社でゲームデバッガーのアルバイトをしている女子大生・玖波島礼香(くばじま・れいか)は、ある日突然、ルームメイトの庸子(ようこ)と共に、社宅を模したアパートに迷い込んでしまう。

なぜ? どうやって?

肝心な部分の記憶が無い状態ながらも、とりあえず出口を見つけようと建物を探検し始める2人だったが、「物理的法則を無視した構造」「どこまでも続く和室・畳部屋」「無限ループの階段」など、まるでゲームのステージがバグっているような光景を目にすることになる。

自分たちが置かれた状況に唖然・茫然とする庸子とは対照的に、ゲーマーとして・デバッガーとしての冒険心をくすぐられた礼香は、持ち前の好奇心と「バグ探し」の特技を生かして、不可思議なアパートの攻略を試みるのだった……。

といった始まり方をする本作ですが、礼香と庸子以外の人物が殆ど登場せず、読者に与えられるヒントも断片的なものが多いため、ストーリー展開を予測することが難しいタイプの作品です。

ただそれが別にネガティブな要素というワケではなく、「作者が意図したものである」ことが、本作を読み進めていくうちに分かってきます。

既成概念に囚われない主人公

主人公・礼香は幼い頃から好奇心がとても強く、ただそれが原因で大人になるにつれて他の人と話や価値観が合わなくなってしまったため、極力、人との関わりを断ちながら生きていくようになりました。

そんなある日、何気なく遊んでいたゲームで発生したバグによって、ゲーム内に未知の領域があることを知った礼香は激しい興奮を覚え、以降「そこへの扉(=バグ)」を探すことに夢中になっていきます。

そんな礼香だからこそ、今回迷い込んだ不可思議なアパートの存在は絶好の「遊び場」かつ「実験場」となり、礼香の一見、意味不明とも思えるような実験の結果、謎が解け、物事が好転していくことになります。

つまり本作において、読者が感情移入する対象は友達・庸子(=多数派)のほうであり、礼香(=少数派)の予測できない行動をハラハラしながら見守る……。というのが、作品の理想的な楽しみ方なのです。

謎が謎を呼ぶストーリー展開

不可思議なアパートの探検が進むにつれて、礼香たちの周りに「敵」と思わしき謎の生物たちが出現するようになっていきます。そのため、物語の中盤あたりから一気に緊張感が増していきます。

そして謎の生物たちとの接触を避けながら、何とかアパート外部と連絡が取れる場所へと到着できた礼香たちに対して、意外な人物から意味深な話を聞くことになります。

「ここはバグによって開かれた裏世界」
「こっちに脱獄できたのはラッキーだよ」
「君たちは人類の希望だ」

はたして裏世界とは何なのか……?

この人物は誰なのか……?

礼香と庸子の運命はいったい……?

この作品の物語の結末は、ぜひ皆さん自身の「目で」確かめてもらえたらと思います。

今回ご紹介しました、元ゲームクリエイターの「たかみち」先生が描く『百万畳ラビリンス』は「上・下巻(完結)」が発売中です。

上巻の「コミックス(紙)」が入手困難なので、確実に読みたい方は「電子書籍」の購入をオススメします。

WRITTEN by 西川 裕貴
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