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“前置き無しにいきなり始まる能力者バトル漫画! ヤクザVS透明人間! 『アダムとイブ』は問答無用!”

“ヤクザの存在意義は何かわかるか?”
“ヤクザは俺に殴られるために存在している”

と言ったのは“文さん”でした。

ええ、十兵衛に“金剛”を教えるためにヤクザの事務所に行って片っ端から練習台にするというエピソードですね。

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『喧嘩商売』(木多康昭/講談社)八巻より引用

あ、今回は『喧嘩商売』の話じゃありません(笑)。いきなり違う作品の引用から入ってしまいましたが……。

今回の作品は『アダムとイブ』。

あの『殺し屋1』『ホムンクルス』『HIKARI-MAN』の鬼才・山本英夫が原作を書き、あの『男組』『男大空』『クライングフリーマン』『HEAT-灼熱-』池上遼一が漫画を描くという、とんでもないコンビによるエゲつない作品です。

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帯のコメントも素晴らしい!※『アダムとイブ』(山本英夫/池上遼一/小学館)一巻より引用

とにかく、この作品……まず、前置きが無い!

いきなり始まります。

あるキャバクラにたくさんのヤクザが集まっている。

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(ヤクザは全部で7人!)※『アダムとイブ』(山本英夫/池上遼一/小学館)一巻より引用

それはヤクザの中でも特殊なメンバーの集まり。で、このヤクザ側の(おそらくは)主人公格が“スメル”という男!

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(“染み渡るよ♪”って(笑))※『アダムとイブ』(山本英夫/池上遼一/小学館)一巻より引用

どうやらこのスメルという男は嗅覚が異常に鋭い能力を持った人物のようです。物語もスメルのセリフを中心に進行します。

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(こうやってにおいを嗅いで色んなことを言い当てるスメルさん)※『アダムとイブ』(山本英夫/池上遼一/小学館)一巻より引用

そんな7人のヤクザが飲んでいる場所に侵入者が現れます。

それが、なんと透明人間!

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『アダムとイブ』(山本英夫/池上遼一/小学館)一巻より引用

はい、無茶苦茶に聞こえるかもしれませんが。まんまです。“透明人間”が入ってきます。

あ、透明人間なので姿が無いので画像もありません。(紹介できないですね……)しかもどうやらここにいるヤクザを殺しに来たようです。

そこで立ち上がるヤクザのメンバー。

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(最初に立ちはだかるのは『味』の能力者!!(のヤクザ))※『アダムとイブ』(山本英夫/池上遼一/小学館)一巻より引用

そうなのです。

この場所にいるヤクザはスメルさんを筆頭にみんな何かしらの能力に秀でた人たちのようなのです。他にも『視』『聴』『触』といて、やはりスメルさんは『嗅』の能力のようです。

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(『視覚の男』は視るだけで妊娠してることもわかるらしい!)※『アダムとイブ』(山本英夫/池上遼一/小学館)一巻より引用

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(『聴覚の男』はまるでピッコロさんのようにリミッターをはずす!)※『アダムとイブ』(山本英夫/池上遼一/小学館)一巻より引用

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(『触覚の男』はやっぱりわかりやすい!!※青年誌です!!)※『アダムとイブ』(山本英夫/池上遼一/小学館)一巻より引用

要するに

「(目的もよくわからないけど)いきなり侵入してきた(らしい)目に見えない透明人間を相手に ヤクザ達が能力を駆使して迎撃する!」

という話です。

もちろん、見えない透明人間が相手ですから次々にヤクザ達は倒されていくのですが、この全く説明が無いままに物語が進むところも潔い!と思ってしまうわけなのです。

(しかも死ぬのがヤクザだからか不思議と読者も心が痛まない(笑)。
どこまで計算してこの設定になっているのかはわかりませんが……。)

現代は昔と比べて漫画の情報量も増え、作画レベルやCGなんかのテクノロジーの進化もあいまって、複雑な設定や説明や前置きが多い作品が増えてきました。それは“悪い”とか“良い”とかいう話ではなくて。

お話自体がすごく練り込まれていることと、たくさんの説明をしないと伝わらない物語構成になっているものが多いとも言えます。

けどね、この『アダムとイブ』のように前置きなんか無くして、おいしいところだけ凝縮して構成しても、しっかりとエンターテインメントとしての表現はできるんだなあ、と感心させられました。

お話の内容的にもそんなに長い話になりそうもないですし、パッと終わってしまいそうですが。やりたいことだけやって、パッと終わってもいいのかな、と。重厚長大な大作もいいですが。

たまにはこんな風に、前置きなしに始まってなにも考えずに読める作品もいいなあ、と 思いませんか?

WRITTEN by 松山 洋

※「マンガ新聞」に掲載されていたレビューを転載
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