自分を見直すきっかけになるのにエンタメ性がある『漫画 君たちはどう生きるか』
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自分を見直すきっかけになるのにエンタメ性がある『漫画 君たちはどう生きるか』

※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部)

【レビュアー/堀江貴文

実は私は原作を読んだことがなかったし、その存在すら知らなかった。

各界の著名人が子供の頃読んだと言われる児童文学界の巨匠、吉野源三郎氏の原作は時代を超えて読み継がれてきたらしい。少年たちが悩む普遍的テーマをコペルニクス的転回にかけて、主人公に「コペル君」という名を与えて、子供達に深く自分で考えさせるように促していく。

おじさんとコペル君のやり取りは、ブレイクした『嫌われる勇気』のアドラー心理学の考えと同じく、「子供と同じ目線で一緒に考えること」と共通しているようにも思える。

だからおじさんとコペル君、そしてコペルの友達との交流も非常に有意義な時間となっている。

本来であればもっと早くこのような漫画になっていたら、もっとたくさんの子供達に伝わったのではないか、そう思わせる力がこの作品には満ち溢れているのである。

ともすれば、道徳的な糞真面目になってしまうようなテーマなのに、1つのエンターテイメント作品になっており最後まで読ませる力がある。

そして、世の中に大きな影響を与えた人たちのエピソードが自然と織り交ぜてある。

そんな学びを得られるのもこの作品の良いところだろう。

さてこの作品を漫画化した羽賀翔一さんも、マンガ新聞の仲間である佐渡島さんのコルクに所属している漫画家で、これまでもいくつかの作品を読ませてもらっていた。

彼の漫画は真っ直ぐに生きる人達を描く、考えさせれれる作品が多かった。

ともすれば青臭いと揶揄されるかもしれないような作品群だ。

しかし、彼はこの名作の漫画化で一皮向けたように感じた。油断すると「青臭さ」が鼻に付くような作品なのにそれをあまり感じないのだ。

『漫画 君たちはどう生きるか』は大ヒットしてロングセラー書になっている。いまだに店頭で平積みだ。

羽賀翔一さんの代表作になるに違いないし、今回の作品を読んで彼はもっと凄い作品を描いてしまうのではないかと期待している。

大人も今読んでも感動する名作なので、ぜひ即購入して欲しいところだ。


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