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ひき逃げされた好きな人、ゲロ吐くヒロイン、カルト家族、生贄…この「ラブコメ」何かがおかしい…『ときめきのいけにえ』

本作は、私の大好きなホラー漫画『死人の声をきくがよい』の作者、ひよどり祥子先生の最新作です。

今回は初の長編でしかもラブコメ!!

今まで、血と臓物あふれるホラー漫画を描いてきた漫画家さんが、本当にラブコメを描けるものなのでしょうか?

もちろん大丈夫です!大丈夫でした!!

本作の主人公は、妄想好きで内気な中学生の少女・神業寺マリ。物語は、クラスでも目立たない存在の彼女が、女子に人気の美少年、花水木君に告白されるところから始まります。

うん、大丈夫!立派に恋愛漫画の王道的展開じゃないですか!

その他にも、以下のような恋愛漫画要素が随所に見受けられます。

1:憧れの彼との「今までに見たことのない」運命的遭遇

恋愛漫画には、運命の相手との印象的な出会いが付き物です。本作でも、クラスメートである以外に何の接点もなかった2人を結びつけるエピソードがありました。

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『ときめきのいけにえ』(うぐいす祥子/講談社)1巻より引用

花水木君のひき逃げ現場に(運命的に)遭遇するマリ。夕焼けがロマンティックです。ちょっと流血が気になりますが。

あ、花水木君は生きていました。

2:家族に禁じられた恋

恋とは、障害が多いほどに燃え上がるものです。マリの父親は、彼女が学校に通う事を許すかわりに

「目立つことなかれ」「恋することなかれ」という条件を彼女に課していました。

そのため、マリは花水木君の告白を断るしかありませんでした。

3:美しきライバル(とヒロインの衝撃の反応)

これも恋愛漫画のお約束ですね。人気者の花水木君を狙うライバルの一人として、美少女のレナが登場してきます。

彼女が花水木君に告白する場面を目撃したマリは思わずゲロを吐いてしまいました。

ゲロ……ヒロインにあるまじき失態ですね。ドンマイ!

4:「いけにえ」の身も凍るような理由

いけにえ?……あ、生贄ね。

恋愛漫画に、なんで生贄が出てくるのか?

マリの家系である神業寺の一族は、破滅寸前の人類を救うため、代々血の儀式を行い、神に生贄をささげ続けてきました。この秘密を守るために、他者との交流を極力避け続けてきたのです。

分かりやすく言いましょう。

マリの家族は、頭のおかしいカルト殺〇一家であり、自分の好きな彼氏を紹介できるような環境ではないわけです。

実にひよどり先生らしい、ぶっ飛んだ設定ですが、同時に「2:家族に禁じられた恋」の「禁じられた恋」につながっているので恋愛漫画として成立しています。

現在はまだ1巻が出たばかり。

恋愛的なもやもやあり、殺〇家族側の衝撃的展開もあり……。

並の恋愛漫画では「もうときめけない」人は、本作のヒロインと共に絶望的状況下のときめきを楽しんで欲しいと思います。

WRITTEN by 新里 裕人
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