
しゃべりが上手い人・面白い人は得をするしモテるし仕事もできる。うん、じゃあ『セトウツミ』を読めばいい。
※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部)
【レビュアー/松山洋】
私は普段ゲームソフトを作る仕事をしています。
ゲームソフト開発です。
200人以上のスタッフと共に日々、面白いゲームを生み出すべく
頑張っています。
ただ、私の仕事はそれだけではありません。
会社の代表としての仕事。
会社の宣伝広告塔としての役目も果たします。
ウチくらいの規模の会社だと本業のゲーム開発とは別に誰かが外に出て頑張って会社をアピールするしかないんですね。なのでゲーム開発の仕事以外にもいっぱい色んな仕事をやります。
学校(専門学校や大学)で講演やったり。
企業で講演やったり。
開発中のゲームタイトルを関係者にプレゼンしたり。
ニコ生などの番組に呼ばれてしゃべったり。
福岡ローカルですが『クリエイティブ・ディグ』というTV番組に出演して
しゃべったりもしています。
なんなら普段のゲーム開発でもスタッフに指示する時は基本しゃべりっぱなしですね。
そうなんです。
わたしは一日の大半をしゃべって過ごしているくらいしゃべるんです。
喋りがうまいと得をする
で、こんなにしゃべる続ける生活を20年以上も繰り返しているとまあ、しゃべりも上手くなっていくわけですが。
実はただ仕事柄しゃべる機会が多かったから自然としゃべりが上手くなったというわけではないんです。
この仕事を始める前から、そうですね、正確には小学生くらいの頃から意識的にしゃべりを上手くなろうと意識してきたところがあるんですね。たぶんそれくらいの年齢の時にすでに“あー、話が下手な人より話が面白い人のほうがモテルな”とか考え始めたんですね。
で、だんだん大人になるにつれ“うん、やっぱり話が上手くて面白い人の方が得するな。逆に下手な人は損するな”って考え始めて。
結構、意識的に勉強してきたんですね。
それはバラエティ番組でしゃべってる芸人さんのしゃべり方や順序やイントネーションなどから学んだり。映画や小説や漫画からも学んできました。
で、今現在。
“どんな作品を読めばしゃべりって上手くなる? 面白くなる? オススメある?”って聞かれたら100%オススメするのがこれ。『セトウツミ』。
放課後に喋ってるだけなのにめちゃくちゃ面白い
二人の高校生が放課後にしゃべってるだけの漫画なのですが。毎度、本当に勉強になります。しゃべりの。
心底面白いです。
声に出して笑ってしまいます。
ほとんど座ったままで会話ばかりの状態が続くので絵的な変化は乏しいのですが。
関係無いです。これでいいんです。
本当にふたりがしゃべる会話劇だけで進行するのですが、ある意味美しさすら感じます。しゃべりが芸術的に完成度が高く面白い。会話だけで漫画って成立するんだなあ、と毎度感心します。
まるで漫才の台本を漫画で読んでるような感覚です。
では最後に。
最新の単行本6巻から引用して本作を紹介します。
もう、どっちがセトでどっちがウツミか紹介すらしてませんが(笑)。いいでしょう。
今、しゃべりが上手くなりたいと思うなら『セトウツミ』を読もう。
『セトウツミ』は別冊少年チャンピオンで好評連載中。作者は此元和津也。単行本は6巻まで。以下続刊。