『電波の城』テレビ局の闇がこれでもか!と詰め込んだ神漫画!
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『電波の城』テレビ局の闇がこれでもか!と詰め込んだ神漫画!

※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部)

【レビュアー/堀江 貴文

細野不二彦さんの作品のバラエティの豊かさは流石である。Gu-Guガンモからギャラリーフェイク、そしてヤミの乱破に至るまで作品の幅は広いし描写も素晴らしい。が、この作品を私は別格だと思っている。

これほどまでにテレビ局に巣食う闇を描いた作品があっただろうか。最近は漫画原作のテレビドラマや映画ばっかりでテレビ局と出版社の距離が近いのに、よく小学館はこの作品を世に出せたと思う。出版社というのは独立のオーナー系非上場企業だからマスコミにも対抗することが出来たのだろう。

この作品、最初は地方のFM局から上京してキー局の女子アナを目指す成り上がりストーリーのように見える。実際弱小プロダクションに半ば押し入り気味に所属し、BSのマイナー番組からのし上がっていく姿はエンタメ作品としても面白かった。

しかし途中から方向性が大きく変わっていく。彼女自身が抱える闇と、テレビ局が抱える闇がシンクロしていくのである。

テレビ局を巡る闇については散発的にネットなどで噂レベルでは上がるものの大々的に報道されることはまずない。例えば格闘技テレビ中継と暴力団とのつながりなど。私も実際に名の通った格闘技団体の楽屋裏でその筋の人を見かけたことがある。おそらく氷山の一角なのだろう。

また下請けの製作会社のADなどの過酷な労働環境も報道されることは無いが、この漫画では赤裸々に描かれている。

独立系ジャーナリストの偏執狂的な取材状況も描かれている。共通するのはテレビという巨大メディアの甘い蜜に群がる人間たちの欲望の果てしなさである。

あの魅力に一旦囚われると抜け出せないのだろう。当事者たちはその意識すら無くなって暴走していくのである。私はこの作品を是非映像化してみたいと密かに思っている。どこかのテレビ局で気骨のあるプロデューサーはいないものだろうか。

でも、その時に最大の懸案となるのは主人公・天宮詩織のキャスティングだろうなあ。。。


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