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鬼才・林田球の描く、ポップでキュートでグロテスクなゆるふわ宇宙漂流記『大ダーク』

ドロヘドロの連載が終了して早2年。アニメ化されたのが今年の1月。これをキッカケに、原作の漫画を手に取った方も多いかと思います。

そんな『ドロヘドロ』の作者、林田球(はやしだ・きゅう)先生が現在連載をしている作品が、宇宙が舞台の『大ダーク』です。

実は私、ドロヘドロの最終巻、23巻の最終章は泣きながらページをめくりました。それくらい大好きな漫画だったので、だいぶロスを引きずりました。(ドロヘドロのレビューはこちら)

重いロスを引きずっていた私は、林田先生の世界観が丸出しの『大ダーク』のコミックスを見て、わくわくが止まりませんでした。

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『ドロヘドロ』もウロコ調のでこぼこな装丁がカッコ良かったのですが、『大ダーク』はセル画風、めくると別のイラストが現れます。カッコかわいい!ポップ!本を眺めているだけてテンションが上がりますね。

そして第一章の扉絵を見た瞬間、林田先生の世界に一瞬で引き戻されます。「全キャラめちゃくちゃかっこいいマスクしてるぅう!いい意味でドロヘドロ感が溢れているぅう!!!」この時点でニヤニヤが止まりません。


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『大ダーク』(林田球/小学館)1巻より引用

前述の通り今回の舞台は宇宙です。主人公はザハ=サンコ。彼の骨を手に入れればどんな願いでも叶うと言われ、全宇宙から命を狙われる少年です。彼がいつも背負っているのはパートナーのアバキアン。友達は宇宙人の魂が主食の死神の死ま田=デス。

ドロヘドロ以上に「死」が身近にある、それなのに「サンコとアバキアンと、ときどき死ま田くんのわくわく宇宙冒険譚!」といった明るさと楽しさが漂っているのは、主人公のサンコが素直でかわいい(?)少年だからでしょうか。

生まれた時から命を狙われる、そんな自分の運命を嘆くことは一切なく、前向き。アバキアンは少しハラハラしながらも、そんなサンコを温かく見守ります。そして「俺様はなんでも持っているから、叶えたい願いなんてない」とサンコの骨に興味を持たない死ま田くんは、パンクな自由人。(実は中身はグラマスボディの美女)今回のポップな装丁は的確に『大ダーク』の世界が表現されていたことがわかります。

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『大ダーク』(林田球/小学館)1巻より引用

2巻では小型犬の様な可愛い見た目で、乗員に細やかな配慮ができる頼もしい宇宙船のモージャや、サンコと同じく命を狙われる正体不明の一(はじめ)=ダメ丸など、魅力的なキャラクターが続々と登場。そしてやっぱり彼らの過去には謎が多く、これからの伏線回収が楽しみでなりません。ポップとキュートが倍増した林田作品を、ぜひみなさんも読んでみてください!(骨や内臓は引き続き頻出するので、そういうのが苦手な方はご注意ください)

WRITTEN by 本村 もも
※東京マンガレビュアーズのTwitterはコチラ

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