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ザ・ベスト・オブ残尿感漫画。『グリンゴ』

※本記事は、「マンガ新聞」にて過去に掲載されたレビューを転載したものです。(編集部)

【レビュアー/堀江 貴文

連載漫画の中には唐突に終わる作品も少なくない。

週刊少年ジャンプならアンケートの結果でバッサリ切られるし他雑誌はそこまでではないもののやはり人気のない作品はいわゆる「打ち切り」に遭うことは少なくない。

私の好きな漫画の中でも例えば山田芳裕の火星探検漫画『度胸星』なんかはもっと続けてほしいと思ったりとか。

しかし打ち切りにあっても今ならブログやアプリなんかで連載を再開するって選択肢も十分に考えられるのし、実際そうなっている漫画も多いと思う。つまり作者が存在している限り好きな漫画の続編を読むことは可能なのだ。クラウドファンディングでやってもいいかもしれない。

しかし、作者がいなくなった場合はどうか。

好きな漫画の続きが読めないことほどストレスのたまることはない。

以前海外を旅行中に立ち寄った日本の本屋さんでつい買ってしまったゴルフ漫画の続きが読みたくて当時ガラケー向けに配信されていた漫画アプリで続編を読んでしまいパケ死したことがある私がいうのだから間違いない。

漫画の続きが読めないのは残尿感が激しく残る。

今はKindleなどでWiFi接続していくらでも続編をダウンロードできるようになっているのでパケ死の懸念もない。ハマったら最後まで残尿感なく読むことができるのだ。

しかし、作者が亡くなった場合はどうだろう。。。これはかなり困る。残尿感といったら失礼かもしれないが、その残尿感たっぷりの漫画の中でも続きを読みたいと思う漫画が、手塚治虫の遺作「グリンゴ」だ。

南米の某国に単身赴任した「日本人(ヒノモトヒトシ)」というある意味ふざけた名前の主人公が政情不安に巻き込まれ奥地にある隔離された村でいろいろなトラブルに巻き込まれる。。。というところでここから面白くなりそうなところでプチっと終わっている。本当に唐突に終わっている。

手塚治虫はその後の構想を持っていたのだろうが、誰にもそれを明かさずに胃がんでなくなってしまった。

今でこそ胃がんの原因の99%以上はヘリコバクターピロリ菌によるものと判明しているから、あの時代に手塚治虫がヘリコバクターピロリ菌の除菌を行っていれば、あのような天才を若くして亡くすことは無かったし、この漫画の続編も楽しめたはずだ。。。

ストーリー漫画ではなく一話読み切りの時事ネタなどを元にした漫画は続編をアシスタントたちがプロダクションとともに作り上げていくケースはある。あるいは暖簾分けのように同じスタイルの漫画を描いていく場合もあるだろう。

難しいだろうが手塚治虫の弟子たちの誰かにグリンゴの続編を描いてもらいたいものである。。それが叶うまでは残尿感を気にしがちな人たちは読まないほうが賢明だ。

ストーリーに引き込まれて一生残尿感を引きずることになるだろうから。


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