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2万PV以上獲得した2つの漫画レビュー。売れた冊数が86冊と0冊と大きく違ったのはなぜか【編集部レポ】

こんにちは。東京マンガレビュアーズ編集長の小禄です。5月25日にこの漫画レビューサイトが始まって、これで2回目のレポートです。

東京マンガレビュアーズ(以下、TMR)は、20名近くの漫画を愛するレビュアーたちが、少しでも漫画好きを増やすためにおすすめ漫画のレビューを更新するサイトです。

もともと15名弱のレビュアーさんだったところから、7月に入って5名新たにレビュアーとしてご参加いただきました。規模が少し大きくなりましたが、熱量はそのままに、おもしろいから手にとってほしい漫画を毎日レビューでお届けしています。

第二回メディアレポート -6月の実績報告-

先月に引き続き、今回も7月半ばにレビュアーさんを交えて定例ミーティングを開催しました。大体下記のような内容を共有しております。

・月間数値レポート
・編集部のオススメ漫画
・TMRの直近の方針

「数字はすべてオープンにする」というモットーでやっているため、今回もレビューで売れた漫画冊数月間PV、いいねなど、全て赤裸々に公開しています。

まずは、「Amazonで購入されたレビュー作品ランキング」を公開です。

200714_TMR第2回定例会資料_no9-4

6月の販売冊数は合計168冊でした!5月の販売冊数は7日間と少ない日数で健闘していましたが、今回もなかなかの冊数です。

何より大きかったのが、一作品で86冊販売した一位のサイバーコネクトツー・松山洋さんによる『宇宙戦艦ヤマト2199』のレビュー。レビュー一本で6月全体の半分の冊数を売ったのは、さすがとしか言いようがありません。

タイトルから直球ストレートな感想を言い放ち、賛否両論を生んだレビューですが、そのおかげもあってか「『宇宙戦艦ヤマト』という名前は聞いたことがあるしアニメも知っているけど、漫画は知らない」という方々にも興味を持ってもらえたのではないかと思います。

続いて、noteでの月間PV数、スキ獲得数も公開です。

200714_TMR第2回定例会資料_no9-6

もっともPV数があったのは、ナンバーナイン代表・小林さんによる『DAYS』レビューの2万8000PVでした。

「売れない」と言われていたバスケ漫画で一大ブームを築き上げ、今も世代を超えて圧倒的人気を誇る『SLAM DUNK』の山王戦になぞらえて書かれたレビューは、『DAYS』を知らない方の興味をひき、『DAYS』ファンからも共感を生み、見事月間最大PVを獲得するまでに至りました。

PVを重視していないメディアではありますが、たくさんの方に読まれるレビューが増えるのは素直に嬉しいですね。今回は、2本のレビューが2万PVを超えたこと、そして一つのレビューで80冊以上の販売実績を作ることができたことがハイライトでした。

そして前回と同様、毎月のMVR(Most Valuable Reviewer)やMIR(Most Impressive Reviewer)を発表し、表彰されたレビュアーには、電子書籍ストア「コミなび」で使えるポイントをそれぞれ10,000ポイント、5,000ポイントずつ差し上げました。

編集部のオススメ漫画5作

今月の編集部オススメの5冊はこちら。

『ノーガンズ・ライフ』
根強い人気の"異形頭"が主人公のSFハードボイルド漫画。発売当時も話題になりましたが、今夏のアニメ化も期待されている作品です。

『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』
今春のアニメで良い部分まで進みましたが、むしろここからが本番。引き続きラブコメ人気を牽引してくれている漫画です。

『女の園の星』
『夢中さ、きみに。』で衝撃デビューを果たした和山やまさんの初連載作。日常を描いたゆるふわ漫画なのに切れ味抜群で、漫画家さんたちからの評判も高い。何よりめちゃくちゃおもしろい。セリフ、コマ割り、構図、どれをとっても天才的だなと感じます。

『往生際の意味を知れ!』
『あげくの果てのカノン』を描いた米代恭さんの新作。Twitterでも漫画好きの間で話題になっており、1巻からブッ飛んだ展開を見せてくれます。「市松くんの精子が欲しい」というセリフが脳内にこびりついて離れません。

『友達100人切れるかな』
マウンティング女子、SNS依存…ウザいけど縁を切れない人間関係に困る登場人物に対して、心理学的なアプローチでカウンセリングして縁の切り方を指南してくれる漫画。確かに「いるいるこういう人」となるのがおもしろいです。

2万以上PVのある2つのレビューで「売れた作品」「売れない作品」が生まれた理由を考える【編集後記】

今回から、毎月のレポートに加えて編集部側で考えていることや実践していることについてお伝えする編集後記を書いてみたいと思います。

6月は、先に述べたようにレビューサイト誕生間もない中で2万以上のPVを獲得したレビューが2本も生まれました。

この2本のレビュー、『宇宙戦艦ヤマト2199』の86冊に対し、『DAYS』が0冊と販売冊数に大きな違いがありました。定例会でも議論になったこの違いについて、「知名度」「レビューの内容」「巻数&価格」の3つの側面から簡単に振り返ってみたいと思います。

『宇宙戦艦ヤマト2199』と『DAYS』の違い

まずは『宇宙戦艦ヤマト2199』について振り返ります。

『宇宙戦艦ヤマト2199』
・知名度…「宇宙戦艦ヤマト」は知っているが、2199版を知らない人は多い。(発行部数も多くない?)
・レビューの内容…「大嫌いだったヤマト」→「2199で印象変わった」というネガティブアプローチは作品への興味喚起として十分。ただ、世代が違うとは言え過去の「宇宙戦艦ヤマト」に対して率直に否定的な意見を述べたことにより、SNSで賛否両論あり。
・巻数&価格…全8巻(未完)で総額4,500円程度。未完ではあるが手に取りやすく、1巻だけ買っても残り7巻で読みやすい。全巻一気買いしても大きな負担はない。

続いて、『DAYS』についても見てみます。

『DAYS』
・知名度…発行部数800万部近くいくのではないかというレベルのヒット作。スポーツ漫画が好きな人の中での知名度も高い。
・レビューの内容…不朽の名作『SLAM DUNK』を引き合いに出して面白さを表現する手法はとてもわかりやすく共感を得やすかった。ただ、『DAYS』時代の具体的な魅力に対する言及が少ないため『DAYS』を読みたい気持ちにまでさせることができなかった可能性あり。
・巻数&価格…既刊38巻(連載中)で、全巻買うと総額16,170円。まとめ買いをするには少々高く、かつ現在連載中のため様子を見る人がいた可能性。

レビューの内容については定性的な理由になってしまいますが、こうしてみると「知名度」と「巻数&価格」の点は大きな違いがありました。

もちろん、今回の比較は2作品だけなのでこれがすべてのレビューについて当てはめることは難しいです。しかし、「人気なのは知っていて読んだことのある漫画」「連載中でもうすぐ40巻突破する長編作品」よりも、「知らなかったけど面白そうな漫画」で「完結していて手に取りやすい巻数と価格」の方が購入ハードルが低そうであることは、読者心理としてもなんとなく分かります。

レビュー内容についても、『宇宙戦艦ヤマト2199』のように「自分の強烈な体験談に基づいたレビュー」であり「かつて嫌いだったものを好きにさせてくれた漫画」と書かれた時には、そりゃあ興味が湧かないワケがありません。その点が、『宇宙戦艦ヤマト2199』のレビューが多くの読者に刺さり、漫画購入につながったのではないかと考えます。

以上で、今回の編集後記とさせていただきます。東京マンガレビュアーズでは引き続き、レビューを通してまだ見ぬ名作漫画に出合い、手にとって(買って)もらうべく、様々な漫画作品のレビューをお届けしてまいりますので、今後も楽しみにしておいてください。

WRITTEN by タクヤコロク@編集者
※東京マンガレビュアーズのTwitterはコチラ

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