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猫は異世界の生物??「猫萌え」を怪奇漫画家が描くとどうなるのか?『伊藤潤二の猫日記 よん&むー』

自宅の周辺には野良猫が何匹も住んでいるのですが、駅から自宅までの細い路地で、これらの猫たちとばったりと出くわす事があります。

そのときの猫の反応がさまざまで、多くの猫は警戒してゆっくり離れて行くのですが、特に気にせずにじっとしている猫や、何かに集中していて気づかず、私が(通り道なので)近づいたところでビクっとなって走り去る猫もいます。

一番微笑ましかったのは、ゆっくり歩いていた猫に後ろから近づいたとき「いや、別にオレ人間こわくねーし」みたいな態度で振り向きもせず、そのくせ明らかに早足で離れて行った時の様子。

猫って「オレって賢い」風なポーズをとるくせに実はアホな事も多いし、注意深そうに見えて何も気づいてなかったりします。よく車に轢かれるし。

けれど、そんなところも含めて猫はかわいい!そう思いませんか?みなさん!!

本作は『富江』や『うずまき』などで有名な怪奇漫画家、伊藤潤二先生が心ならずも猫の魅力にとらわれていくエッセイ漫画です。

結婚を機に新居に引っ越した伊藤じゅ……J先生。

猫好きの奥さんが実家の猫を連れてくる事になります。

驚くJ先生。しかも、それだけではなくもう1匹猫を飼う事に!

従順で喜怒哀楽のわかりやすい犬に比べ、気まぐれな性質の猫をちょっと不気味に感じていたJ先生。

そんな彼の目線から見た猫の登場シーンが見事です。

暗がりの中に置かれた猫ケージの中から「ヌー」っと顔を出す、異生物的な表現!

まさに怪奇漫画家の面目躍如です。

でも猫って時々、本当に「骨格あるのか!?」って感じのヌルっとした動き、しますよね。

妻の実家から連れてきた猫「よん」の事を「呪い顔の猫」と呼んで警戒していたJ先生ですが、そのうち「よん」が単なる「変な顔の猫」である事に気がつきます。もう一匹の「むー」に関しては最初から少しかわいいと思ったりして。

しまいには猫に好かれる妻に嫉妬心を抱き、必死に猫の気を引くようになるJ先生。

もろもろ誇張されているものの、これらのエピソードは実話がベースになっているそうです。

猫好きの人は、常人と一味違う視点で描かれた本作で、猫の魅力を再認識して欲しいと思います。

そして、猫を敬遠していた人も、J先生と共に麻薬的な猫の魅力に傾倒してみてはいかがでしょうか?

WRITTEN by 新里 裕人
※「マンガ新聞」に掲載されていたレビューを転載#
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