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『黒子のバスケ』が『SLAM DUNK』より少年漫画として圧倒的に完成度が高い2つの理由

個人的な話ですが、私は中学時代にバスケットボール部に所属していました。

だからといってバスケットボールというスポーツを特別視しているということはありません。

そしてスポーツ観戦にも興味がありません。これはバスケに限らず、野球も、サッカーも、ラグビーも、バレーボールも、自分がやってプレイする分にはまだ意味もわかりますが、いわゆるプロのスポーツを観戦して楽しむという感覚がわかりません。

“誰かのプレイを応援して楽しむ”という感覚が無いのだと思います。

しかしそれが漫画となると、途端に話が変わってきます。

野球漫画・サッカー漫画・テニス漫画・ボクシング漫画・バレーボール漫画・バスケットボール漫画、世の中には本当にスポーツを題材にした漫画が数多く存在します。

ドカベン』『タッチ』『わたるがぴゅん!』『キャプテン翼』『俺たちのフィールド』『風のフィールド』『テニスの王子様』『はじめの一歩』『ハイキュー!!』『SLAM DUNK(スラムダンク)』ざっと挙げても数多くの名作漫画で大ヒット漫画が多いのも特徴と言えます。

私なりの個人的な分析では、なぜこんなにもスポーツ漫画に名作やヒット作が多いのかと考えると、そこに“ドラマがある”からだと思います。

もちろん実際のスポーツの中にも、きっとドラマがあるのだと思います。だからスポーツ観戦者を魅了するのでしょう。ただ、私は実在するスポーツのそれぞれの選手のことを知りませんし、個人的な事情や感情をうかがい知るすべもありませんので、どうしても夢中にはなれません。

が、漫画というフィルターを通すと、一気にそれぞれのスポーツは一大エンターテインメントと化します。

それぞれの漫画家が織りなすドラマと登場人物たちの手によって、です。

そして数あるスポーツ漫画の中で最も私が高く評価している作品こそ『黒子のバスケ』なのです。

個人的には『SLAM DUNK』よりも『黒子のバスケ』です。

『SLAM DUNK』だってもちろん名作ですし、物凄く面白い作品です。

ただ優劣をつけるとなると、私は『黒子のバスケ』の方を推します。

これはあくまで本当に個人的な意見になってしまいますが、少年漫画として圧倒的に完成度が高いのです。

大きい理由(と評価)は以下の2点です。

『黒子のバスケ』が良い理由1:必殺技がある。

スポーツ少年漫画のヒット作には必ずと言っていいほど必殺技が存在します。“〇〇打法”も“ドライブシュート”も“デンプシーロール”も、そのすべてが必殺技です。

少年漫画として“読者がマネしたくなるような必殺技がある”ということは私の中では必須条件です。(そして中学時代に『黒子のバスケ』を読んでいたら絶対に真似していました)

『ミスディレクション』『バニシングドライブ』『ファントムシュート』『イグナイトパス』『パーフェクトコピー』『トールハンマー』『エンペラーアイ』『イーグルアイ』『ホークアイ』『ミラージュシュート』

これらは『黒子のバスケ』に登場する必殺技の一部です。どれも実現は不可能ですが、やはり真似したくなるほどカッコ良くて魅力的な技ばかりです。

(あまり比較はしたくありませんが『SLAM DUNK』には必殺技は登場しません。だからダメということではなく、それなのにあんなにも漫画として面白いのは本当に凄いと思います。が、少年漫画としてはマネしたくなる必殺技の存在を私は評価したいと思います)

『黒子のバスケ』が良い理由2:目標の達成がある。

『SLAM DUNK』という作品は、皆さんご存知のように【第1部】で連載が完結しています。作者のインタビューでも記事になっていますが「山王戦以上の試合は描けないと思ったからアレで終わらせました」という考え方は潔いとも思いますし、確かに素晴らしい最後の試合でした。

ただ、主人公・桜木花道の目標が達成されたのかという視点で見ると、私は『SLAM DUNK』という作品はまだ完結していないように感じています。(当然ながら【第1部】が終わっただけで作品自体は終わっていないのですが)

『黒子のバスケ』という作品では、中学時代の『キセキの世代』と呼ばれた5人の友人達が高校でバラバラになってしまった関係性を、主人公がまたひとつに繋ぐという獲得目標を持った作品でした。

『繋ぐ』というのはそれぞれの高校同士で、バスケの試合を通して心の交流を図ることで『絆(関係性)を取り戻す』ということです。

主人公・黒子テツヤは新しい高校の新しい仲間達とともに『キセキの世代』のメンバーが所属する強豪校と闘い、そしてその全てが達成された瞬間に物語は完結しています。

実に鮮やかで心地よい全30巻です。

アニメ『黒子のバスケ』大ヒットの印象から(『テニスの王子様』同様に)どこか“女子が好きな漫画作品”というイメージがついてしまっている感が拭えないかもしれませんが、完全に王道少年漫画です。

今一度、先入観を捨てて『黒子のバスケ』という少年漫画を楽しんでいただければと思います。

WRITTEN by 松山 洋
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