メイクは彼氏のためのもの?いいえ、なりたい自分に変わる魔法です『顔に泥を塗る』
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メイクは彼氏のためのもの?いいえ、なりたい自分に変わる魔法です『顔に泥を塗る』

【レビュアー/南川祐一郎】

メイクは毎日続く果てしない戦い

こんにちは!雨とか汗とかでバッチリきめた髪型もメイクもすぐ崩れて「ぐぬぬ」ってなりやすいこの季節、皆さまどうお過ごしでしょうか?

休日に近所のコンビニにふらっと行くくらいなら、髪は帽子でおさえて
マスクしてダメ押しでメガネかければいっかーって感じですが、仕事や人と会う時、お出かけする時となると、髪のセット、メイク、さらに服のセレクトなどなど、やることが多い!! って億劫に感じちゃう人も多いのではないかと思います。

最近は、メイクをする男性も増えてきてるので、一概には言えないのでしょうが、僕は髪も短くてセットも楽な上にメイクとかはしないので、彼女と出かける時も、彼女よりだいぶゆっくり起きたのにあっという間に準備を終えて待つ、みたいなことがしょっちゅうありました。

結婚して子供が出来た後は、子供が理不尽に「ママ準備まだーおそいー」と平気で言っちゃってこっちがヒヤヒヤすることも。「男は楽でいいね!」とちょっとキレ気味に言われた経験もたくさんあります。

メイクも髪型も、綺麗に可愛く見えるように工夫されていて、ばっちり決まってるととても素敵に見えます。

なので、時間をかけてそんな努力をしてる人に対して「そこまで頑張らなくてもいいんじゃない?」なんて言うのはむしろ相手に対して失礼になっちゃうよなと思うんですよね。

やっている本人たちも、毎日良くすることにワクワク前向きに時間をかけてしているわけじゃなくて「あーもーめんどくさい!」ってイライラしてる日も多いのではと感じています。

実際見てきた人数や回数を考えると、ほとんどの人がどっちかというとめんどくさく感じてるんじゃないかなと思う次第です。

今の自分は自分がなりたい自分ですか?

僕は以前別のレビューで『着たい服がある』という漫画を紹介させていただきました。その漫画は、

まわりから見られている自分の姿を演じていて、本当に自分が着たいと思う服を着れなかった主人公が、「オシャレは自分のためにするものだ!」と次第に思い切って着たい服を堂々と着始め、服装と一緒に気持ちが変わり新しい人との出会いや前向きな人生を掴んでいく

という、服好きの僕としては非常に共感できるオススメの漫画でした。

今回ご紹介する『顔に泥を塗る』も、メイクをテーマに「なりたい自分」の姿を目指すのが素敵な、是非オススメしたい漫画です。

主人公の美紅は彼氏のハルと6年同棲中。将来のことも考えているものの、ハルの好みで軽いメイクしかしてこず、25歳になっても子供っぽく見られることが気になり、綺麗なメイクをしたいと思っています。

そんな時、男性だけどメイクが大好きなイヴと偶然出会います。

彼は、服装も男性的だったり女性的だったりと性別の垣根を超え、自分が本当に好きでなりたい格好や生き方をしている青年。美紅もそんなイヴの輝いている姿に憧れ、メイクを通してなりたい自分に成長していく…というストーリーなんですが…

『着たい服がある』でもロリータ服に対して親や友達から偏見を持たれるなど色々なきつい描写がありましたが、この『顔に泥を塗る』では彼氏のハルが、まあとんでもない性格なんですよ!

初めてイヴにメイクをしてもらい「自分でもこんなに綺麗になれるんだ!」 と、メイクした顔を大好きなハルにも見てもらおうと、喜びワクワクする美紅。

それに対して、ハルはいきなり頭からクレンジング剤をぶっかけて「汚い顔を落としてから、なにがあったか説明して」と言い放つんです…。

なりたい自分になるためにメイクを変えるだけでなく、様々な面でもっと自分らしくなろうとする美紅に対して、ハルは徹底的にそれを許しません。「美紅は自分の所有物として自分の言うことを聞くのが当たり前」というモラハラDV全開のイカれっぷりで美紅を苦しめます。

自分の感覚では、なんでここまでされて美紅はまだハルと付き合ってるの? と不思議でならないんですが、現実世界でもこういうガチ束縛系パートナーに苦しめられてるけど別れられない人や、その相手に合わせることだけを考えている人もいるので、そんな人達にとってはかなりリアルな恋愛を描いているのかなと感じます。

実は共感できる人も多いからこその人気なのかもしれません。

あと、さすがにここまでハードじゃなくても、メイクや髪型、服装、あるいはもしかしたら話し方とか趣味にいたるまで、実は自分が好きなものじゃなく、まわりの人から見た自分のイメージに合わせてしまっていることは、誰もが経験したことがあるんじゃないかと思います。

だからこそ「私って本当はこれ好きなのかな?」と感じることや、好きだと思ってやってるはずなのに疲れてしまうなんてことも共感できる。

そんな方はぜひ、ハードモードの中でも彼氏と向き合って自分らしく生きようと頑張っている美紅の姿に背中を押してもらって、ほんのちょっとずつでもいいので「なりたい自分」の姿を目指してみませんか?

そうしたら、今よりももっと自分のことが好きになれるかもしれないですね。

『顔に泥を塗る』はコミックタタンで絶賛連載中。単行本は2巻まで発売中です!


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